なぜ日本の邦画(特に実写映画)は画面の全体が暗いようになるのですか?ドラマとかTVの実写ではでは普通に明るいのに。わかる方教えて下さい。

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邦画が暗いのは、照明に時間をかけて設計をしてないためです。 TVやVシネマ出身の人が増えたうえ、スタジオ制度が瓦解してしまった せいもあって、映画の照明設計の技術がちゃんと継承されてないんですよ。 もちろん、中には海外の現場で修行を積んでフィルムで撮影するための 照明設計を学んできている人も出てきてはいるのですが、大半の人は TVドラマの延長線で画面を組み立てるので、ビデオとフィルムの特性を 理解しないまま撮影しちゃうんです。その結果、全体に暗い画面になりがちです (デジタルでも、フィルムはやっぱりそれなりの光量が必要です)。 ただ、これは別の方への回答でも書きましたが、必ずしも明るいピーカンの画面が 良いわけではなくて、東南アジア系の「空気」と、オーストラリアとかアメリカの 「空気」はやっぱり違うんです。フィルムにはその違いが如実に映っちゃうんですね。 だから、照明設計も海外の映画や、ビデオの高感度に合わせたものが良いとは 限らないんです。周囲の環境や、撮影する素材に合わせた照明設計が必要です。 ほとんどの日本人が海外の映画や、TV画面のビデオの映像を見慣れてしまって いるからこそ、そういう画像が「暗い」「眠たい」画像に見えてしまうという事実も あると思います。 ここから先は余談。 今は上映の際の解像度の違いこそあれど、撮影的にはアナログフィルムと デジタルフィルムの境目は曖昧になってきてます。 全編デジタルのREDで撮影された、ソダーバーグの「チェ」2部作など ほとんど質感はフィルムのものでした。「コラテラル」の「デジタル撮影じゃん、 駄目だこりゃ」みたいな質感とは比べ物にならないぐらい進歩してます。 要するに、アナログフィルムの良さを取り込んだデジタルフィルムが生まれつつあり どちらの良さも取り込んだ、別の撮影媒体が生まれつつあるのではないでしょうか。 だから、撮影に関して単純なアナログ・デジタル二元論では語れなくなってると 私は思います。アナログ良い、デジタル駄目、デジタル良い、アナログ駄目 というレベルの論は、当の昔に終わってると思ってます。