ExcelのIF関数は、「条件によって処理を変える」ための強力な関数です。しかし実際の業務では、1つの条件だけでは判断が難しい場面が多く、IF関数を「複数」使わなければならないケースもよくあります。
「3段階評価をつけたい」「複数のIFをどうつなげるのか分からない」「IFを複数入れ子にすると読みにくい」など、混乱する要素も少なくありません。
この記事では、IF関数を複数使用する基本構文から、実務に即した応用テクニックまでをわかりやすく解説します。複雑な条件でも正しく式を組み立てられるようになることを目指しましょう。
目次
IF関数を複数使うとはどういうことか?
IF関数を「複数使う」とは、以下の2通りのケースを指します:
IF関数を連続でネスト(入れ子)する
同じ表内で複数のIF関数を組み合わせる(列や式を分ける)
それぞれの使い方やポイントを順番に見ていきましょう。
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✅ IF関数をネストして段階的に条件分岐する
IF関数の最も一般的な「複数使用」は、条件ごとにIFを入れ子構造にして段階評価をする方法です。
例:点数によって評価を「A」「B」「C」「D」に分けたい
80点以上 →「A」
70点以上 →「B」
60点以上 →「C」
それ未満 →「D」
この条件をIF関数で表現すると、以下のようになります。
"=IF(A2>=80"A"IF(A2>=70"B"IF(A2>=60"C""D")))"
このように、外側のIFで条件が満たされなかったときに、次のIFを評価するという構造です。
ポイント
評価の高い順から記述するのが基本。
入れ子が深くなりすぎると読みにくくなるため、適度にコメントや補助列を活用すると良い。
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✅ IF関数を分けて別の列や行で使う
「同じセルにすべて詰め込む」方法ではなく、計算を複数のセルや列に分けることで、複雑な処理を分かりやすくする方法もあります。
例:段階評価の途中判定を補助列に記述する
1列目(B列)で基準点を判定
"=IF(A2>=60"合格""不合格")"
2列目(C列)でさらに追加評価
"=IF(A2>=80"特待生""")"
このように分割して処理を行うことで、式が単純化されメンテナンスしやすくなります。
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✅ AND関数やOR関数との併用でさらに複雑な条件へ
複数のIF関数を使うだけでなく、IF関数に「AND」や「OR」を組み込むことで、複数条件に対する処理の精度を高めることができます。
例:英語と数学がともに60点以上なら「合格」
"=IF(AND(B2>=60C2>=60)"合格""不合格")"
例:どちらかが60点以上であれば「条件付き合格」
"=IF(OR(B2>=60C2>=60)"条件付き合格""不合格")"
こうした関数との組み合わせにより、実務的な判定ロジックが実現可能になります。
✅ IFS関数を使えば複数のIFをスマートに書ける
Excel 2016以降をお使いの場合、「IFS関数」を使うことでIFの多重ネストを避けることができます。
先ほどの評価例をIFS関数で書き直す
"=IFS(A2>=80"A"A2>=70"B"A2>=60"C"A2<60"D")"
ネスト構造に比べて、見やすく、修正もしやすいという大きなメリットがあります。
・実務で役立つIF関数の複数使用例
1. 勤怠管理の処理
=IF(A2="""欠勤"IF(A2<TIME(9,0,0)"定時""遅刻"))
出勤時刻が未入力なら「欠勤」、9:00より早ければ「定時」、それ以降なら「遅刻」。
2. 商品の販売ランク判定
=IF(B2>100000"プラチナ"IF(B2>50000"ゴールド"IF(B2>20000"シルバー""ブロンズ")))
売上金額に応じて、4段階のランクを表示。
3. 支払方法によって処理を変える
=IF(C2="現金"A2*0.9IF(C2="クレジット"A2*1.05"確認中"))
支払方法によって、値引きまたは手数料を加算。
・IF関数を複数使う際の注意点
1. 括弧の数に注意
ネストが多くなると、括弧の閉じ忘れが非常に起こりやすくなります。入力後に関数の色分けでチェックしましょう。
2. 可読性を意識
すべてのロジックを1セルに収めようとせず、必要に応じて補助列を使うことでエラーを減らせます。
3. 入れ子の深さに制限あり
Excelでは関数のネストに最大64レベルの制限がありますが、実用上は3〜5レベル程度が限界と考えた方が良いでしょう。
・まとめ:IF関数を複数使いこなして柔軟なデータ処理を実現しよう
ExcelのIF関数は、条件によって処理を切り替えるための強力な関数です。さらにそのIFを「複数」使うことで、より実務に即した柔軟な処理が可能になります。
ネスト、AND/OR関数の併用、IFS関数など、状況に応じて最適な方法を選ぶことで、読みやすく、メンテナンス性の高い式を作成できるようになります。
IF関数を複数使いこなせるようになれば、Excelによる自動判定や業務処理の精度が格段に向上します。まずは小さな例から、徐々に複雑な式に挑戦してみてください。